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どすこい、ウチダ部屋! 人材育成の決まり手!
~望まない部門へ配属された若手部下のモチベーションをどう高めるか?~

東京両国、国技館の近くにオフィスと研修室を構える弊社は、大相撲の場所毎の賑わいに季節を感じ、力士の方々の往来も馴染みの風景です。愛着ある地元にちなみ、人材育成に関するトピックスを「ウチダ部屋」からの発信という趣向でお届けします!

~望まない部門へ配属された若手部下のモチベーションをどう高めるか?~
(2022年11月発行)

今回のお悩み事

新たに配属された入社5年目の若手社員。前の組織や仕事にも慣れ親しみ、意欲も増していた様子。前部門の評価では能力も高いということだが・・・。希望しての異動ではなく、今までとは全く違う分野の仕事を任される状況もあり、やる気も喪失している様子。本人の気持ちは尊重しつつも、新しい職場でもチャレンジして次のキャリアに結び付けてほしい。そんな部下のモチベーションをどう高め今の仕事に向き合ってもらうか、マネージャーとして悩んでいます。

今回の決まり手!

今回新たに配属された若手部下に対するお悩み、ということですが、組織に身を置く人材であれば、誰しも100%納得のいく異動ばかりではありません。肩を落とす気持ちは受けとめつつも、前を向いて仕事に励んでもらうにはどうすればよいか。今回は、仕事に慣れだした入社5年目前後(30代前半位まで)という若手社員のモチベーションにフォーカスをあて、決まり手をご紹介いたします。

■決まり手1 「振り返り」今までの業務経験を共に振り返ろう
■決まり手2 「親切丁寧」丁寧な指示、親切な支援を心掛けよう
■決まり手3 「叱咤激励」自立型で仕事に取り組んでもらおう

■決まり手1 「振り返り」今までの業務経験を共に振り返ろう

部下のモチベーションが低下している時、元気づけるために「それ、いいね!」と褒めたり、前を向かせるために「仕事だからちゃんとやろう」と時には厳しく叱ったり…と、マネージャーは「何とかしてあげたい」という気持ちで、気にかけ都度対処しようとするでしょう。

しかしながら、そういう事を繰り返していると互いに疲弊してしまいますし、また、部下自身が周りに声をかけてもらえないと行動に移せない人になってしまう傾向も否めません。あくまでもモチベーションは本人の問題であり、自主自立的に動こうとしない限り、状況は改善していきません。マネージャーはそのような面もあることを理解した上で、行動しなければなりません。

まずは、今まで本人がやってきた業務内容や、それに向かう意識、態度を把握し、「できること・できないこと」を明確にしてあげることです。仕事で成果を出すためには「仕事が要求する能力要件」をしっかりと捉え、「個人が持つ能力要件」でそれを満たしている人、もしくは近い人が行う必要があります。

ここで言う「能力要件」は知識・技能・態度を指します。今回の部下の場合は、希望と違った部署に来てしまったことで、「今まで培った知識や技能が役に立たない」と思い込んでしまい、態度面に悪影響を及ぼしている可能性もあります。

そんな時は、マネージャーは仕事と個人の能力要件を照らし合わせて、不足する部分を支援し、部下の態度面の改善を促しましょう。
もし不足している能力が知識であれば、それを補うアドバイスやサポートができますし、技能であれば、短期的な向上は難しいとしても、他の仕事を通じて経験を積み、向上させていくことは可能です。

このように主は本人で、マネージャーはサポートする形で、能力向上に取り組むことが必要です。そして本人が「今、できること」に目を向け、主体的に取り組むことにより、目の前の業務に心が向くようになります。次第にできることが増えていくと自然に自信がつき、「今度はこうしてみよう」「この点ができるようになりたい」など、未来に向けた発想に繋がっていくのです。そうなったときには、見た目よりも本人のやる気はふつふつと湧いているかもしれません。

■決まり手2 「親切丁寧」丁寧な指示、親切な支援を心掛けよう

もしそれでもうまくいかない場合は、今度はマネージャーとしてサポートの質と量を増やしていきましょう。「前の部門では優秀だと聞いている、であれば一旦任せてみよう」と考えがちですが、モチベーションが低下している状態では、本人もうまくポテンシャルを発揮できないものです。そこで、できるだけ丁寧に指示を与え、状況改善に向けたスタートを切れるように努めましょう。

前回のコラムでもお伝えしましたが、こういった場合にも「状況対応型リーダーシップ」が活用できます。現在の職務に対して、知識・技能が不足しており、なおかつモチベーションが低下している状態の部下に対しては、しっかりと部下と向き合い、互いに納得した上で物事を決定していくことが大切です。特に、態度面、つまりやる気や自信の向上について援助していくことを心掛けましょう。

例えば、仕事を全て任せるのではなく共同で行い、マネージャー自身が手本を見せる。そしてその姿をしっかり観察させ、どのように思い、考えたかについて意見交換する、などが方法としてはあります。その際に、あくまでも主体は部下本人であることは忘れてはいけません。

決まり手1で示した「今、できること」の能力をしっかり伝え、「過去この仕事ができていたら今回のこの業務もできると思う」ということをしっかり伝え、本人が少し手を伸ばせばできることを認識してもらうことで自分事として捉えることもできるようになります。

■決まり手3 「叱咤激励」自立型で仕事に取り組んでもらおう

「さて、そろそろしっかり組織の一員として仕事と向き合ってもらわないと」というタイミングがいつ訪れるかは、本人の特性にもよりますが、その点も見極めていかなければなりません。それは、「今、できること」が安定的にできるようになり、ある程度自信が生まれ、自分の意思や意向が見え隠れするタイミングでしょうか。

そのような場面が多くなってきたら、ぜひ組織の業務として行うべきことの役割を今一度確認し、本人が持つ能力より少し難しい仕事や役目を与えてあげるとよいでしょう。それは「逃げ隠れできない、問答無用に仕事に取り組ませる」という状況を作り出すという事です。

はじめは互いに不安を感じるかもしれません。そこはマネージャーであるあなたが、見守りながらも一歩引いた姿勢で、本人がおのずと動くまで待つ覚悟が要ります。そしてフォローの頻度は変わっても、部下から前向きな相談があれば、しっかりと向きあいましょう。このような場面こそ、熱意をもって叱咤激励しながら接していくことが重要なのです。

本人が、新しい部門で何かを自分で成し遂げることができれば、もうその時には本人自身もモチベーションなど気にせずに、チームメンバーとして仲間と接している姿を見せてくれるのではないかと思います。

まずは本人が「できること」に焦点を当て、自分の持つ能力で少しずつ成果を出せる仕事に取り組む環境を作る。そして「やりたいこと」が見つかるまで、支援しながらも取り組ませること。最後に本人が仕事に向き合い、なすべき仕事をやりとげるようにすること。
今の本人の状態に捕らわれることなく、マネージャーの本来の役割を全うすることで、部下の方も自分自身で自立的にキャリアを描けるようになるかもしれません。

新しい部下への指導や若手育成に悩んだら、今回ご紹介した「決まり手」も参考にしていただけると幸いです! どすこい!

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