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どすこい、ウチダ部屋! 人材育成の決まり手!
~新入社員(Z世代)に対する OJT のポイントとは?~

東京両国、国技館の近くにオフィスと研修室を構える弊社は、大相撲の場所毎の賑わいに季節を感じ、力士の方々の往来も馴染みの風景です。愛着ある地元にちなみ、人材育成に関するトピックスを「ウチダ部屋」からの発信という趣向でお届けします!

新入社員(Z世代)に対するOJTのポイントとは?
(2022年9月発行)

人材育成にまつわる様々なお悩みに対し、ウチダ部屋より「人材育成の決まり手」を披露します。今回のお悩みに対し、どのような「決まり手」が使えるでしょうか。

今回のお悩み事

今年度入社した新入社員。電話・メールでのコミュニケーションが主流だった今までのスタイルとは打って変わって SNS でのコミュニケ―ションが主流の彼ら。
少し世代の離れた私とは合う話題もそこそこ。コロナ禍の今、在宅勤務も増え、実際に会う機会は本当に減ってしまった。価値観の違いも垣間見えるし、なんだか「指導」って言葉も馴染まなそう。そんな新入社員を目の前に、どのようにOJTを進めていったらよいか。もちろん一生懸命にやっているつもりはあるけど、それで本当に育つのだろうか?懸念されます・・・。

今回の決まり手!

今年度入社した新入社員に限った話ではないかもしれませんが、OJTトレーナーの心構えとしては、以下の3つの「決まり手」を心得ておくことが大切だと考えています。

■決まり手1「相互理解」 お互いの理解を深め、信頼関係を深めよう
■決まり手2「学び合い」 相手が得意なことを、尊重する姿勢を見せよう
■決まり手3「失敗&リカバリー」 ちゃんと失敗させて、しっかりリカバリーしよう

■決まり手1「相互理解」 お互いの理解を深め、信頼関係を深めよう

コロナ禍で入社した新入社員は、学生時代の後半はオンライン授業になったり、アルバイトやクラブ・サークル活動が制限されたり、外部環境の変化が大きかった世代です。
そのような変化があると、私たちはうまくコミュニケーションが取れない原因を、ついついその「変化」に求めがちです。
でも、普通に考えれば、彼らも私たちと同じ人間であり、コミュニケーションについては同じ悩みを持っているかもしれません。だとすれば、新入社員限らず、人と人とが理解し合うためには「相手の価値観を認めること」が第一歩です。あまり一括りにしてはいけませんが、我々が接してきた多くの新入社員の印象は、次のような感じでした。

・着かず離れず繋がっていることが大事。
・自信は無くもないが、失敗はしたくないのでアクションやリアクションが薄い。
・前向きな気持ちはあるが、まずは一歩ずつ着実に。
   …そんな、今の自分を認めてほしい!

ビジネスの第一線で働く方々は「物足りなさ」を感じるかもしれません。もちろん個性や特性はそれぞれ異なりますが、この世代が持つ特徴かと思います。
そうすると、私たちがしなければいけないことは、目の前の相手に対して心を開き、相手の考え方や価値観をしっかり受け止め、理解しようとすること。その上で意見交換し、背中を押してあげる。常にその姿勢を見せることで、新入社員にも考え方や求められている期待の度合いが浸透していくはずです。
成果を出すことに焦ることなく、お互いの理解を深めることを念頭に置き、信頼関係を深めていきましょう。

■決まり手2「学び合い」 相手が得意なことを、尊重する姿勢を見せよう

OJTは新入社員に仕事を学ばせるために行いますが、皆さん自身も相手を尊重し学べることはたくさんあります。例えば、OJTで利用するツールに、新入社員が得意としているSNSも取り入れ、活用してみるのも一つの方法です。

メリットは2つあります。
1つ目は、新入社員が得意なツールなので、気軽に相談や連絡があり、コミュニケーションの密度が上がります。私達も新入社員からも学ぼうとする姿勢を見せることで、「学ぶとはどういうことか」を実際に見せることも出来ます。

ICTの進化に伴いツールはこれからも進化していきます。
2つ目のメリットは、その進化をキャッチアップし、自分の仕事に活かしていく姿勢を見せること。言葉で何かを伝える以上に、新入社員も感じてくれることは多いはずです。これからは相手と同じ目線に立ち、時には伴走しながら、同じ目標に向かう。その過程で新入社員の得意なことを尊重し、私達も学ぼうとする姿勢を見せていきましょう。

■決まり手3「失敗&リカバリー」 ちゃんと失敗させて、しっかりリカバリーしよう

ゴールに向かって、限られた時間内にチェックポイントをクリアできるかが仕事には求められます。今後一人で仕事をするのに必要な力を蓄えさせる為に、安易にゴールに到達するようにフォローするだけでなく、時には「ちゃんと失敗させる」ことも必要です。「ちゃんと失敗させる」というのは、物事に対し、やってみて、何が原因として失敗したのかということを本人が理解できるようにすることです。
ある漫画の主人公の言葉で「本気の失敗には価値がある」という一節があります。本気で取り組めば取り組むほど、失敗した時に感じた口惜しさややるせなさは二度と感じたくないもの。だから何度もその原因を掴もうと推敲を重ね、改善に向けて努力します。
その過程を経験させてあげることが、一人で仕事をする際に、必ず役に立つはずです。ですので、ちゃんと失敗させてあげる。私達は、その姿を見守り、取り返しのつかないことにならない程度に、サポートしてあげる。失敗したとしても、共に努力してリカバリーした  経験をさせてあげることが成長に向けての財産となります。

OJT担当者が相手とどのような関係を築きたいと考えているか、まずはその思いを基に信頼関係を築いていき(決まり手1と2)、設定したゴールに対し、できる限りのチャンスを与え成功と失敗を積み重ねながら、その道筋を互いで認識し、共有していく(決まり手3)。

その時間を繰り返していくことで、互いに単に目の前の仕事に終始するだけではなく、OJT担当者自身が彼らのポテンシャルに気づき機会を与え、一方新入社員は自分でチャレンジをしたいと思う向上心が生まれるようになります。

役割を与えられた方は、苦労も多いかもしれませんが、その分相手の成長を実感する喜びもひとしおです。そうした得がたい喜びを感じられる日が来ることを願っています。ぜひ今回ご紹介した「決まり手」も参考にしていただけると幸いです! どすこい!


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