お問合せ

どすこい、ウチダ部屋! 人材育成の決まり手!
~新入社員研修「マスクするしない」で意識すべき大事なこととは~

東京両国、国技館の近くにオフィスと研修室を構える弊社は、大相撲の場所毎の賑わいに季節を感じ、力士の方々の往来も馴染みの風景です。愛着ある地元にちなみ、人材育成に関するトピックスを「ウチダ部屋」からの発信という趣向でお届けします!

~新入社員研修「マスクするしない」で意識すべき大事なこととは~
(2023年3月発行)

今回のお悩み事

いよいよ4月から新入社員研修が開始となる。コロナ禍となってからは、人との接触を減らしたオンライン研修が当たり前となっていたが、今年は徐々に対面形式も増やしていく予定。ワークやディスカッション、演習などもできるだけ多く組み合わせて実施する予定だけど、気になるのはマスクの着脱。もちろん最終的には個人の判断になるけれど、新入社員にどのように説明をするか、また研修実施側では改めてどのような配慮が必要か。その点をまとめて双方に共有しなければ!何かアドバイスがあれば教えてほしいです。

今回の決まり手!

今年は、3年ぶりに制限がない春の新入社員研修となりました。完全にコロナ前のようにはいかなくても、人との接触も緩和されつつあります。マスクの着脱は最終的には個人の判断に委ねるとしても、互いに認識しておくこと、配慮すべき点などの共有は必要ですよね。それぞれのご見解はあると思いますので、あくまでもご参考までにですが、今回の決まり手3つです。

■決まり手1 新入社員の心理的安全性に配慮しよう
■決まり手2 新入社員一人ひとりに目を配ろう
■決まり手3 新入社員の主体的に発信する努力を促そう

■決まり手1 新入社員の心理的安全性に配慮しよう

新たに社会人となる新入社員は、ビジネスパーソンになる期待と共に、新たな環境、上司や先輩、そして研修という場面でうまくやっていけるか不安に感じています。

そのような状況において、新入社員が持つポテンシャルを発揮してもらうには、「主体性」「積極性」などを刺激し、自ら考え、行動を起こし、成長していくことが必要です。

とは言え、「失敗したら恥ずかしいし、評価が下がったら嫌だな」と思うのが新入社員の心理。だからこそ「心理的安全性に気を配ってくれている」と感じる環境づくりを心がけましょう。


「心理的安全性(psychological safety)」とは、組織や集団の中で、自分の考えや気持ちを誰に対してでも安心して発言できる状態のことを指します。マスク着脱だけの話ではないですが、そのような細かな点も「しっかり考えてくれている」「着けても外してもその判断を尊重してくれている」と新入社員が感じる環境づくりをすることで、失敗を恐れず、組織が本来望む新入社員の「主体性」や「積極性」を育む土壌が出来るはずです。

つまり、研修中のマスクの着脱を「個人の判断」と決めたのであれば、しっかりと新入社員ひとり一人の判断を尊重し、安心して研修に取り組むことが出来る環境づくりを心がけてください。

■決まり手2 新入社員一人ひとりに目を配ろう

マスクの着脱を個人の判断にすると、当たり前ですが「マスクをしている新入社員」と「マスクをしていない新入社員」が混在します。もっと具体的に言うと「顔がすべて見える新入社員」と「顔が半分しか見えない新入社員」に対して、研修を行うということになります。

このような状況を想像した場合、無意識に「顔がすべて見える新入社員」の印象が強くなり、前に立って話す際は、自然と目を向け話すことが多くなるはずです。これは皆さんにも経験があるかと思いますが、人は自分の話にうなずいたり、反応したり、表情や行動で示してくれる人によく目を向けて話をしてしまうものです。

ということは、新入社員からすると「マスクを外している人ばかり見て話している」と感じる状況が生まれてしまう可能性があります。このような状況は、決まり手1で挙げた「心理的安全性」に反しています。


だからこそ新入社員研修を企画する方は、前に立つ人に「より一層意識して新入社員一人ひとりに目を配ってほしい」ことを伝える必要があります。

そしてマスク着脱に関わらず、相手の表情や反応を平等に、目を凝らして観察し、フラットに、ニュートラルな判断をしていく環境を作っていきましょう。

印象面だけに引きずられることなく、日報やその他コミュニケーションツールなども活用し、新入社員の考えや思いを知っていく努力も必要です。

■決まり手3 新入社員の主体的な発信を促そう

ここまで、受講者がマスクの着脱を自由に選択できる環境を整え、主催者側の相手を観察する意識を高めることを決まり手1,2でお話してきました。最後の決まり手では、受講者側にも、適切に、的確に、自分の考え、気持ちを伝える努力を促すことについてお話します。


マスクをすることが当たり前であった数年間は、マスクで口元が隠れていることによって「表情から感情が伝わりにくい」という状況でした。

それにより危惧することは、新入社員の喜怒哀楽の感情の表出の度合いが下がっているのではないかということです。

これは時間の経過に伴い解決することかもしれませんが、「ビジネスパーソンは常に周囲から評価されている」ことを踏まえると、なるべく早く改善したいものです。

とすると、新入社員にはしっかりと次の2点は伝えてあげましょう。

① マスクをしている場合、口元が隠れるので、自分が思っているほど、自分の感情面が相手に伝わっていないことを認識しよう。
② マスクをする・しないに関わらず、自分の感想・考え・意見を、表情や態度、話し方で伝えようとする努力をしましょう。


コミュニケーションは情報の発信側と受信側の双方の工夫によって、活性化され、より効果的な相互理解が実現できます。

しかし、世の中には様々な制約条件があり、安全・安心を守るためのマスクもコミュニケーションの観点からは、妨げの一つでした。

そのような状況下でもしっかりと自分の考えや意見を論理的にも感情的にも相手に伝わるように努力や工夫をすることを、新入社員の皆さんにも意識付けしてあげてください。

今回ご紹介した決まり手も、何が正解とは言い難いものではありますが、研修を実施する側も受け手側も双方相手を思い合いながらコミュニケーションを行う必要性が今まで以上に増している、ということは間違いない状況だと思います。

新入社員研修や、社内のコミュニケーションに悩んだら、今回の決まり手も参考にしていただければ幸いです。どすこい!

CONTACT